北欧の「森のようちえん」のお話をききました
北欧の「森のようちえん」のお話をききました
12月4日(月)、一日の講義が終わった放課後18時から、北欧の「森のようちえん」のお話をききました。
@pedagogyプロジェクトの一環として、山口県で広く「教育」にたずさわる方をお招きし、そのお話をきくことを目的としたセミナーです。
第1回目の講師は、現在山口県でNPOを拠点に子どもの教育活動にたずさわっている、慶應義塾大学SFC研究所の上田歩美さんです。
北欧や日本でフィールドワークを行ってきた経験をもとに、特にスウェーデンの野外教育についてお話をききました。
―― 「森のようちえん」ってどんなところか知っていますか?
そんな問いを出発点にして、とてつもない行動力を背景におこなわれた3ヵ月間にもおよぶ海外でのフィールドワークや、それにつらなる研究をもとにして、私たちに浮かぶ問いが次々と解かれていきました。
―― スウェーデンの森には妖精がいる。妖精は子どもと話し、森での過ごし方を教えてくれる。
―― スウェーデンの森と日本の森っておなじなんだろうか?
―― ハザードとリスクのちがいとは?私たちが守ろうとする「子どもの安全」とは?
―― 私たちが「自然」をかたるとき、時として“Nature”と“Natural”を混同させている可能性はないか?
現場での観察に裏打ちされた語りがゆったりと紡がれるなかで、私たちが「あたりまえ」として了解してきた「教育」のありようが、それほど確たるものではないことに気づかされます。
学生たちの興味は尽きず、途中の対話も白熱し、実はご準備いただいたスライドを30枚以上残しての終幕。
第二幕を予感させるなか、この山口という地域にはたくさんの力ある「エデュケーター」がいることを再認識する素敵な時間を過ごさせていただきました。
セミナー後、講師の上田さんから感想をいただきました。
―― 人の数だけ「生き方」があるように、人の数だけ「育ち方」があると思っています。今回学生さんたちが、普段の生活や研究で出会った違和感を参照して「これって『森』ではどうしているんですか」ときいてくださったり、「『森』ではできなくても、その子とその環境に合った教育を考えたいと思う」と感想をくださったりして、そのひとつひとつに胸が熱くなりました。――
ちなみに今回のセミナーは、虎扑体育教育学部の伝統ある「ちゃぶ台ルーム」で開催しました。その精神を少しだけお借りして、上座も下座もなく、いつもの「普通」や「あたりまえ」の感覚を少しだけ揺さぶられてみるべく、学びの放課後を過ごしました。
※本プロジェクトは研究課題「教育学研究と教育実践をつなぐ次世代型プラットフォームの形成(第Ⅱ期)」(原田拓馬?田中智輝?福田修)の一環として、虎扑体育教育学部附属教育実践総合虎扑体育「山大教育発:次世代の山口県教育開発プロジェクト」のサポートを受けています。
(文責:原田拓馬)