虎扑体育農学部 農学部

本学への寄付

月刊農学部長 第33-45号(2021年4月-2022年4月)

月刊農学部長 第33-45号(2021年4月-2022年4月)

月刊農学部長 第45号(2022年4月)

 

3月 桜のキャンパスと新シリーズ(告知&公募)

3月23日(水)に桜が1分咲き程度の維新記念公園にて、今年も時間分割方式の無観客卒業式?修了式が行われました。93名の農学部卒業生と35名の創成科学研究科(農学系)修了生の皆さんが巣立っていきました。大学の卒業式は人生の一大転換点であることは間違いありませんが、中学や高校の卒業式ほど感傷的な式典ではありません。それは、主役の学生が十分大人であることに加え、自立すべき新たな生活の準備に追われ感傷に浸っている暇がないことも一因でしょう。皆さん、慌ただしい生活の中でも心と体のケアーを忘れずに、視線を上げて力強く一歩目を踏み出してください。
そして、間髪入れずに「Welcome 新入生」の週間を迎えます。この時期、キャンパスは桜で溢れていますが、本部横の公園(手前)と大学会館横(右奥)の特にきれいな桜群を掲載します。毎年のように月刊農学部長でも紹介していますが、今年はちょっとがんばって上空からの景色です。撮影方法は秘密です。新入生の皆さんが桜のように優しく明るいカラーの大学生活が送れるように、教職員全員が一生懸命サポートします。

 

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この写真に写っているメタセコイアの上部に、ちょっと見にくいですが、鳥の巣が確認できます。カラスの巣だと思われますが、ここ数年は宿主が現れません。実はキャンパス内には5か所ほどこのような巣があって、そのうち2か所では3月になって親鳥が巣繕いをしているのを確認しました。順調に行けば初夏ぐらいまで子育てをしている様子が観察できるはずです。校内を散歩しながら、鳥の巣を探してみるのもなかなか楽しいものです。

さて、コロナ禍で出張等も制限されている状況下で、これから24回も「月刊農学部長」を書かなくてはなりません。昨年は「登山シリーズ」を企画して何とか1年持たせましたが、今年も何か企画しないとネタが足りません。そこで、「虎扑体育の自慢」と題して、30年以上の山大教員生活の中で感じた、山口あるいは山大のアピールポイントをまとめたいと思います。何回できるかわかりませんが、「山口?山大の良いところ」を皆さんに認識してもらえたら幸いです。次回(4月号)からスタートする予定ですが、取り上げてもらいたい話題がありましたら是非お知らせ下さい。

 

 

月刊農学部長 第44号(2022年3月)

 

2月 恵方巻とキャンパスの冬の彩り

2月上旬、農学部の学生たちは卒論?修論の仕上げに忙しく、学部内はコロナ禍とは無関係にとても静かです。昨年も書きましたが、文章にまとめるという作業は最も頭を使う作業であり、その能力は社会人になって間違いなく役に立ちます。先生に修正されて終了ではなく、その過程をよく振り返って、論理的な思考の表現スキルを高めてください。そんな中、節分の日(2月3日)には、ここ15年ぐらいの研究室の恒例行事で「恵方巻」をみんなで食べました。今年は、男子学生ばかり10名(院生4名、学部生6名)の研究室で、一言もしゃべらずに北北西の方角にある冷蔵庫を見つめて一気に食べました。写真のようになかなかシュールな風景でした。1本860円もしてびっくりしたのですが、美味しいうえに、「今年1年病気をしないように」と健康意識を高められるのなら安いものかもしれません。

 

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サイレントなキャンパスにあって、この時期に貴重な彩りを放っているのが、サザンカのピンクの花(写真奥)とクロガネモチの真っ赤な実(写真手前)です。この場所は以前紹介したキンモクセイ(月刊農学部長第28号)のすぐ隣です。クロガネモチとは興味をそそるネーミングですが、葉が乾くと鉄色になることから名付けられたと解説されていました。同時に「苦労がなく金持ち」に通じる縁起木と紹介されています。苦労せずにお金が入るのは幸運なことではありますが、必ずしも幸福なことではないと信じているのは、宝くじに縁がない私の負け惜しみでしょうか。

 

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COVID-19の第6波に関する大学内の状況は、HP上で公開されているように、年明けからすでに50人を超す感染者が報告されています。幸い、農学部内での感染報告はほぼ無く、いつも通りの2月を過ごすことができました。大学前期入試は2月25日に無事終了しましたが、後期入試(3/12)や卒業式(3/23)も控えていますので、もうしばらく気を引き締めて感染予防に努めましょう。

 

 

月刊農学部長 第43号(2022年2月)

 

1月 コロナ第6波と対面試験

昨年末の月刊農学部長に「コロナとの戦いは今後も予断を許しませんが、とりあえず危機的な状況は凌いだと信じて、、、」と書きましたが、その直後に岩国米軍基地発?オミクロン株によると推察される第6波が来てしまいました。これまで、新幹線沿いの都道府県では珍しく「緊急事態宣言」も「蔓延防止法」も発令されていなかった山口県でしたが、ついに県東部に対して蔓延防止法が発令されました。その事態を受けて、1月11日に行われた全学の教育研究評議会において、講義を対面から遠隔に速やかに移行することが決定されました。遠隔講義そのものには抵抗がなくなっていますが、この時期は期末試験、大学入学試験と対面が不可欠な重要行事が続きます。第5波の後に、もうCOVID-19の話題には触れないと書きましたが、今しばらく、大学の状況を皆さんにお知らせしなければならないようです。
1月末現在では、日本全体では8万人前後、山口県では400人前後の感染者が報告されており、ピークアウトの気配がまだ見えない状況です。幸い、大学内での感染拡大は比較的抑えられており、何とか定期試験等も対面で実施できています。写真は、高坂先生の授業(情報生化学:主に生物機能科学2年生)の試験風景です。この学生たちは2020年4月の入学ですから、入学と同時に数か月間遠隔授業になり、その後は対面と遠隔をミックスした形で受講してきました。昨年秋にとった彼らのアンケート結果を見ると(写真中円グラフ)、対面授業の方がいいと答えたのは76%にのぼり、「先生の熱量が伝わって、ポイントが分かりやすい」「わからない点を友達にすぐ相談できる」などの意見が書かれていました。一方、遠隔の方がよい(17%)、判断できない(7%)と答えた学生からは、「好きな時間に何度でも視聴できるオンデマンド方式で理解が深まる」などの声も聞かれました。農学部としては、基本的には全面的に対面授業に戻したいと思っていますが、遠隔講義のメリットはコロナ禍が過ぎても生かしたいところです。

 

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2月になると、卒業論文、修士論文、博士論文の発表審査会、そして月末には大学入試の前期個別試験が実施されます。弱毒化したオミクロン株が「自然ワクチン」になって、パンデミックが収束するという楽観論に期待したくなりますが、ワクチン接種者でも感染が頻発している現状を冷静に鑑みると、そう簡単な結末ではなさそうです。

 

 

月刊農学部長 第42号(2022年1月)

 

12月 農場祭とクリスマス市

12月9日の昼休みに、農場祭が行われました。今年もコロナ感染防止のため、飲食のない物販のみとなりましたが、たくさんの方々に来場していただきました。約20種類の野菜と果物が売られていましたが、私も生物資源環境科学科の学生さんが農場実習で作ったミニトマト(380g)とカブ(750g)をそれぞれ150円で購入しました(写真)。日常的に買い物をする人なら、このコストパフォーマンスの良さが理解できると思います。この場を借りて、農場の維持管理及び農学部の研究?教育にご協力いただいている技術専門職員(農学グループ)の皆様に感謝申し上げます。今年は、先月号に記載したようにお米とお芋の生産にちょっとだけ協力させていただきました。来年は、もっとたくさんの農産物生産に関わり、勉強したいと思っています。

 

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ところで皆さんは、「12月、山口市はクリスマス市になる」こんなPRをご存じでしょうか。保守的な山口にしては攻めたキャッチコピーだなと思いますが、実は山口市はクリスマス発祥の地とされています。山口市の広報誌には「1552年の12月に、フランシスコザビエルの後継者?宣教師コスメ?デ?トーレスらが山口でクリスマスを祝ったのが日本での始まり」という内容が記述されています。当時の大内義隆(31代)はトーレスに対してキリスト教の布教と拠点建設を許可したことが記録に残っています。この拠点が日本で最初の常設教会とみなす説もあり(諸説あり)、「クリスマス発祥の地」を標榜する資格はあるように思います。毎年12月になると県庁から市役所までのパークロードが所々ライトアップされますが、特に旧サビエル記念聖堂を模したLEDの電飾はとてもきれいです(写真)。パークロードそのものもかなりお金をかけて整備した道路で、昭和61年には日本道路百選にも選ばれた山口市内の名所の一つです。その街路樹を背景に、写真のような白と青を基調とした幻想的な空間が広がっています。山大からは自転車で20分ぐらいかかりますが、一見の価値があると思います。まだ見たことがない人は、是非来年は見に行ってください。

 

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さて、今年も一年が終わろうとしています。いろいろとありましたが、何とか学部長の仕事をこなすことができました。教職員?学生の皆さま、ご協力ありがとうございました。コロナとの戦いは今後も予断を許しませんが、とりあえず危機的な状況は凌いだと信じて、ちょっとだけ気を緩めて鋭気を養いたいと思います。
みなさん良いお年をお迎えください。そして、また元気よくリスタートしましょう。
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月刊農学部長 第41号(2021年12月)

 

11月 附属農場のお芋とお米

今年も実りの秋に、たくさんの農作物が附属農場でも収穫されました。写真は10月に菅内(すげうち)農場で取れたさつま芋とお米です。私も週末を使って、数名の有志(山大教職員および学生さん)といっしょに、苗植えから収穫の段階まで作業をさせてもらいました。品種はさつま芋が「べにはるか」お米が「恋の予感」で、それぞれ10aと5aに作付けし、最終的におよそ1.8tのお芋と250kgの玄米が収穫されたそうです。

収穫されたお芋の2/3ぐらいは周南市の山縣酒造で焼酎「要助」の仕込みに使われ、残りは青果で販売されたり、干し芋に加工されたりするそうです。私も学内の生協施設(FAVO)で「要助」を購入してみましたが、どちらかと言うと“飲みやすいスッキリとした味わい”と感じました。ところが、指導していただいた荒木農場長の解説では、焼酎は普通醸造用の大型のイモ品種(コガネセンガン)を使用するが、「要助」は紅芋を使うので香や味がちょっと濃厚だということでした。私は鹿児島出身で、焼酎をつくっている親戚もいる中で育ったのですが、あまりお酒の味がわかりません。日本酒の辛口と甘口の違いも怪しいレベルで、焼酎はさらに味を表現する言葉を持ち合わせません。是非20歳以上のみなさん、“スッキリとした味わい”なのか“濃厚な香りと味”なのか、それとも違う表現がフィットするのか、試飲して感想を教えてください。720mlが1480円ですので安くはありませんが、それだけの価値がある一品だと思います。

一方、お米については教育学部付属の特別支援学校の生徒さんたちといっしょに作ったので、山大基金の返礼品に活用していく予定だそうです。荒木先生から、「いただいた寄付の一部は、附属学校などの実習資金などに充てられる仕組みにして、寄付していただいた方に末永くこのお米を楽しんでいただけるようにしたいと考えています。」という学長先生が聞いたら泣いて喜ぶような素晴らしいコメントをいただきました。

荒木先生とその研究室の学生さん、ご指導ありがとうございました。来年も楽しみにしています。

 

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月刊農学部長 第40号(2021年11月)

 

10月 普通の大学生活を取り戻しましょう!

2020年の3月から様々な活動およびイベントが自粛モードになりましたが、やっと規制が緩和されてきました。10月初旬、私が副会長を引き受けている中国四国学生陸上競技連盟の試合が広島で開催され、虎扑体育の学生さんも2年ぶりに参加が叶いました(写真)。我々教員は、たとえ自粛期間でも授業ができればかなり安堵感がありますが、学生さんはそうはいきません。有意義な大学生活を送るための要素は授業以外にもたくさんあります。若いエネルギーをぶつける機会がことごとく奪われてしまって、この1年半は本当に我慢の時だったと思います。これからもCOVID-19の再流行に対して細心の注意が必要なことは言うまでもありませんが、みんなで協力して普通の大学生活を取り戻しましょう。授業や研究活動はもちろんのこと、サークル活動や旅行等、学生時代ならではの楽しいイベントを積極的に盛り上げてください。

 

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※個人情報が含まれますので、画質を落としています。生物資源環境科学科の4年生も出場しました。

 

そんな訳でCOVID-19は過去のものにしてしまいたい気分ですが、今一度振り返って、コロナ禍で「よかったことベスト3」を挙げてみたいと思います。

1)就職活動がオンラインになったことで経済的な負担が軽くなり、多くの企業に挑戦できた。「準備していた30万ぐらいの就職活動用資金がほとんど要らなかった」という院生の話も聞きました。このまま定着してくれれば、地方国立大学の学生には大変ありがたいシステムです。そのためには、昨年?今年に就活を乗り越えた学生さんたちがこれまでと変わらないクオリティーを示し、「オンライン面接でも十分いい学生が採用できるじゃないか」と就職先に感じてもらうことが肝要です。卒業生の皆さん、是非後輩たちのために頑張ってください。

2)宇部(工学部?医学部)との距離が縮まった。教員の会議でも学生間の会合でもオンライン形式に抵抗がなくなって、気軽にリモートコミュニケーションができるようになりました。以前からPCのスカイプやスマホのSNSなどコミュニケーションの手段はあったはずなのですが、何となく大人数の会議は対面でという雰囲気がありました。ZOOMやWEBEXの利用により、意外と遠隔のプレゼンや議論にデメリットがないということに気づきました。これから、大学内外において、移動に伴う時間とお金の節約が加速すると思われます。

3)マスクと手洗いで風邪の流行をかなり防止できる。以前から風邪の対策にマスク着用と手洗いが有効であることは知っていましたが、今回、皆が心がければほとんど流行らないということが実証されました。今後、玄関に設置された体温計で体調管理の習慣を持続し、マスクと手洗いは当たり前の感覚になれば、インフルエンザの大流行は無くなるのかもしれません。

以上の3点の他にも意外とよかった事があるように思います。コロナで経験したことを単なる禍(わざわい)としてとらえるのではなく、今後の生活や仕事に役立てたいものです。

 

 

月刊農学部長 第39号(2021年10月)

 

9月 後期の授業と身近な登山のまとめ

秋分の日も過ぎて、すっかり秋らしくなった今日この頃です。各県のコロナ感染者数もやっと第5波以前の値に近づいてきて、このまま収束してくれるのではないかと期待してしまいます。1か月前は、後期は遠隔講義しかできないのではないかと話していましたが、この調子だとほとんどの授業は対面形式でできそうです。学生さんおよび教職員の皆さんの「自粛」に感謝します。ただし、最初の1週間(10/1~10/7)は、様子見のために遠隔授業中心の予定です。完全撲滅を目指して、今一度気を引き締めて感染防止に努めましょう。基本はマスクと手洗いです。
さてこの半年間、「歩いて行ける10名山」と題して山口盆地にある山を紹介しました。この他、車があれば是非トライしてもらいたい素晴らしい山々がたくさんあります。例えば、平成の大合併が行われる前、つまり旧山口市内では一番高い山だった高羽が岳(760m)は、ロープ伝いに登る場所が10か所近くあり本格的な登山が体験できます。一方、現在山口市で一番高い十種ヶ峰(989m)の頂上からは、全方向すべて見晴らしがよく、空気が澄み切った紅葉の季節の登山に最適です。また、山口市と周南市の間にある飯ヶ岳(937m)は、ブナ林と滑松(樹齢200年以上の赤松)がとても印象的な山です。さらに、防府市にある右田が岳(426m)は、ロッククライミング的なスリルも味わえるコース沿いに33体の磨崖仏等もあり、景色以外にも多くの見どころがあります。最後に、ホルンヘルスに隣接する萩市須佐の高山(533m)からは、日本海のリアス式海岸が広角に見渡せます。車でも行ける頂上には望遠鏡が設置されており、1997年にヘールボップ彗星を観察した時は感激しました。
本シリーズ(月刊農学部長第33号~第38号)で紹介した山をイラスト風にまとめておきました。週末にちょっと疲れるぐらい運動したい人、ぜひ順番に挑戦してみてください。なお、下記6)~10)と今回紹介した番外編の山々は道に迷う可能性がありますので、複数人で行くことをお勧めします。

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月刊農学部長 第38号(2021年9月)

 

8月 オリンピックと身近な登山(その6)

7月から8月にかけて東京オリンピックが行われ、無観客ながら大変盛り上がりました。私のオリンピックに関する最初の記憶は、1968年のメキシコオリンピックです。特に、走り幅跳びの驚異的な世界記録と10000m競走におけるアフリカ勢の強烈なラストスパート合戦が印象に残りました。高地(2300m)での大会だからこうなるみたいな解説に、山の上なら足が速くなるの?と不思議に感じたのを覚えています。その後生理学を学んで、高地では空気抵抗が低いこと、酸素分圧が低いことなどの影響が大きいことを理解しました。1980年のモスクワオリンピックは、アフガニスタンへのソ連軍侵攻を理由に、日本はアメリカに同調してボイコットすることになりました。今また、アフガニスタンの政情が大きく揺れています。科学は次々と問題を解決し社会は着実に前進しているように感じますが、民族?宗教が絡む問題はなかなか着地点すら見い出せません。

 

身近な登山シリーズの6回目です。やっと最後の山にたどりつきました。

9&10)東鳳翩山&西鳳翩山:山口市の登山可能な山として最も知れ渡っているのが東鳳翩山(734m)でしょう。登山道は吉敷地区の凌雲寺跡をスタートする西ルートと一の坂川上流の錦鶏湖をスタートする東ルートがあります。さらに、西ルートは地蔵峠経由と鉱山跡経由に、東ルートは二ツ堂経由と錦鶏の滝(雄滝)経由の2つにそれぞれ分かれます。地蔵峠経由と二ツ堂経由は登山道が整備されていて、とても登りやすいルートです。ただし、結構な標高差があり、市街地から登り始めると2時間以上はかかる登山になりますので、チョコレートと水ぐらいは持参した方が安心です。西ルートの鉱山跡経由と東ルートの錦鶏の滝経由コースはかなりの悪路ですので、しっかり準備して臨んでください。軽めの登山がしたい人は地蔵峠まで車で行く方法もあります。頂上標識の写真は、小林前部長の記事(No25号:2020年2月)に紹介されていますので、ここではその標識の位置から南向きに撮った写真を載せます。眼下には山口市が広がり、虎扑体育④はもちろん、この登山シリーズで紹介した象頭山①、鴻ノ峰②、姫山③、高倉山⑥もハッキリと確認できます。汗だくになって登った山々が、砂場で作った小山のように点在している風景がとても印象的です。遠方に視界を広げると、南南西に真っ白なきららドーム⑧が見え、周防灘の向こうに国東半島の山々⑤、そしてかすかに久住連山⑦を見ることができました。さらに、180度方向を変えて北方に目を凝らすと、萩沖に浮かぶ大島も確認できました。山口市内から瀬戸内海と日本海の両方見える場所はここだけかもしれません。
一方、東鳳翩山よりもわずかに高い西鳳翩山(742m)は、TV局のアンテナ基地があるために舗装道路が山頂まで整備されています。登山は厳しいけど写真のような景色が見たい人はこちらがお勧めです。東鳳翩山と西鳳翩山は地蔵峠経由で縦走することもできます(所要時間90分程度)。

 

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月刊農学部長 第37号(2021年8月)

 

7月 野イチゴと身近な登山(その5)

春から夏にかけては野イチゴが結構おいしく食べられます。写真はこの辺でよく見つかるヘビイチゴ(写真左)と草イチゴ(写真右)です。ヘビイチゴに関しては、有毒だから食べてはいけないと脅されていましたが、実は無毒で食べられます。でも全く味がしないので、あまりお勧めできません。一方、草イチゴは酸味がないのですが糖度はかなり高く、まるでお菓子のような味わいです。見分け方は、表面の粒々の形と色です。ヘビイチゴはピンクがかった赤色で、表面の粒が突起状に見えます。まさにコロナウィルスの感じです。一方、草イチゴはオレンジがかった赤色で、ビーズのような粒がびっしり詰まっています。いつの日か、山でヘビイチゴを見つけた時に、「これによく似たウィルスが猛威をふるって大変だったなー」と思い出す日が来るかもしれません。私が月刊農学部長を書き始めてから、ずっと話題の中心は「新型コロナウィルス」です。もうそろそろ脱却しよう思って書き出したのですが、結局今回もコロナ関連記事(?)になってしまいました。

 

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8)蕎麦が岳(仁保地区):防府市との境にある標高556mの山です。仁保の道の駅(井開田交差点)から車で10分ほど走った仁保一貫野地区からのアプローチが一番楽ですが、本格的に登山を楽しみたい人には仁保の小高野地区(秋川牧園工場付近)からの登山をお勧めします。途中には「仁保の重石(じゅういし)」という巨岩の珍風景も見ることができます。その岩の頂上から目の前に広がる川のような滑滝(勾配は45度ぐらい)がなかなかの迫力です(下の写真)。写真の下端に見えているのが重石の頂上の縁になりますが、石の高さは30mぐらいあり、これ以上のぞき込むのは無理でした。幼いころから高い所に登るのが好きだった私でも脚がすくみましたので、高所恐怖症の人は絶対に登らないでください。登山道は最後までよく整備されており、蕎麦が岳の頂上からの眺めはどの方角も素晴らしいものです。蕎麦の実に似ていることが名前の由来だそうですが、遠くから見ても、登ってみても頂上は平で、三角錐のような蕎麦の実とどこが似ているのでしょう。

 

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月刊農学部長 第36号(2021年7月)

 

6月 ワクチン接種と身近な登山(その4)

ついにワクチン接種が虎扑体育でも始まります。虎扑体育では7月末から1回目、8月末に2回目の接種が行われ、ほとんどの学生及び教職員が前期中に完了する予定です。これまで感染が確認されてからワクチンが完成するのには10年近くかかるのが常識でした。今回は、分子生物学の地道な研究の積み重ねが功を奏して、mRNAワクチンという手法が確立され、1年少々の短期間で完成しました。そもそもワクチン接種は、体内の獲得免疫機能を事前に訓練することを目的として行われます。従来は弱毒化したウィルスそのものを訓練開始の合図に使ってきました(生ワクチン)。今回は注入されたmRNAの遺伝情報に基づいて細胞にウィルスの一部分(突起)を大量に合成させ、訓練を開始させる方法が取られました。この方法そのものは30年ぐらい前にすでに提案されていたようですが、注入されたmRNAがすぐに分解されてしまうこと、細胞内に未知のmRNAを導入する際に不要な反応が起きてしまうことなどの難問が解決され、ついに今回の実用化に至りました。農学部の学生さんには、是非このワクチンのメカニズムと開発の歴史を理解してほしいものです。日経サイエンス5月号の「COVID-19ワクチン接種―日本に上陸mRNAワクチンの実力-」がとてもよい解説記事です。

 

身近な登山の4回目は、同じ地区にある割にはあまり認識されていない山です。

7)高倉山(山大南方):虎扑体育の校舎は東西方向にきれいに並んでいるので、すべての校舎の南側の窓から正面に見えるのが高倉山(標高380m)になります。8合目あたりにある送電線用の鉄塔が一つの目印です。登り口は複数ありますが、一番登りやすいのは中国自動車道の山口ジャンクション付近(黒川地区)からのアプローチだと思います。大きなため池の横を通り登山口(標識有)にたどり着いたら、すぐにかなりの急勾配の小道が続きます。鉄塔までは迷うことはないと思いますが、そこから先は赤いリボンを頼りに悪路を進みます。最後はシダをかき分けるようにして進み、広さ6畳ぐらいの頂上にたどり着きます。視界は北側のみ開けており、山大の全景を見ることができます(写真1)。

この山の北側つまり山大側の麓には「平川の大杉」(写真2)があります。根回りが10mを超す巨木で、なんと昭和3年に国が指定した天然記念物なのです。大学の留学生会館横の通用門から自転車で10分もかかりませんので、是非一度見学に行ってください。

 

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月刊農学部長 第35号(2021年6月)

 

5月 長引くコロナ渦と身近な登山(その3)

コロナ禍での大学生活も2年目に突入しました。こんなに長期戦になるとは正直思っていなかったのですが、有名なウィルス学者のネイサン?ウルフの著書『パンデミック新時代』(2012年: 高橋則明 訳)には、今後未知の感染症が頻繁に発生する可能性が予言的に書かれていました。その理由として、アフリカや中国の奥地まで開発が進むにつれ、新規ウィルスを保有する動物たちと接する機会が増えることなどが説明されていました。振り返ってみれば、2003年に中国を中心に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)、2012 年に確認された中東呼吸器症候群(MERS)、今回のCOVID-19(2019)と新規のウィルス性感染症が次々に、そしてだんだん間隔が短くなって襲来している事実があります。様々な対策が「Postコロナ」から「Withコロナ」に変わってきたことは、我々の社会がこれらの状況を認識しつつある証拠かもしれません。決して望ましい姿とは思いませんが、遠隔講義はよくある大学風景となる可能性があります。虎扑体育内での感染情報に基づき、5/13(木)~5/21(金)の間は急遽対面授業禁止となりました。写真1は6番教室でネット配信ツールwebexを使って遠隔講義中の横山先生です。

 

2021-6-1.JPG 写真1

 

 

さて、3回目になりました身近な登山シリーズですが、今回は山口盆地で最も有名な山と思われる「姫山」です。

 

6)姫山(山大北方):山口盆地の真ん中にあり湯田温泉街が一望でき、高さ(標高199m)も手ごろで人気の出そうな山なのですが、登山道があまり整備されていません。有名なブラック伝説がある山なので、ちょっと敬遠されているのかもしれません。椹野川沿いの大内側からアプローチすると、8合目ぐらいにある放送局の反射板までは迷わず登れますが、それから先は尾根伝いに悪路を進むことになります。頂上には、三角点の石碑の他、なぜか郵便ポストと鐘が設置されていました。頂上からは西側のみ視界が開けており(写真2)、中央に見える緑の山が先月紹介した鴻ノ峰で、その右奥にある峰が東鳳翩山、中央やや左側にある高い峰が西鳳翩山になります。

 

2021-6-2.jpg 写真2

 

 

月刊農学部長 第34号(2021年5月)

 

4月 1年生の対面授業と身近な登山(その2)

1年生の授業のほとんどは、他学部の学生たちと一緒に共通教育棟で行われます。100人以上の講義が多いため、最初の1週間(4/9~)は念のため遠隔講義となりました。その後(4/16~)対面講義が始まり、いつもの大学講義風景が1年ぶりに戻ってきました(写真1)。やはり、対面講義をしていると「学校で教えている、学んでいる」という実感が湧いてきます。最近は、考える力を養うために、諸外国を見習って双方向型アクティブラーニングが推奨されています。その教育改革の方向は正しいと思いますが、中には寺子屋みたいな一方向型講義が得意な学生さんもいるような気がします。先生の話を聞きながら自分の知識を効率よく増やし、次に自分で考える材料として頭の中に整理する学習スタイルに魅力を感じる自分はやはり古いタイプの教育者なんだろうと思います。残る教員生活において、少しでも意識改革をしなければ時代に取り残されてしまうのかもしれません。

 

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さて、前回(身近な登山)の続きです。今回紹介する山も山大から歩いて往復しても半日以内で終わるコースで、舗装道路がかなり整備されているので、ジーパン?革靴でも大丈夫かなと思います。

 

4)亀山:山口市の中心にある丘です。サビエル記念聖堂が中腹にあり、麓には市役所、美術館、博物館などがあるので、訪れたことがある人も多いかと思います。頂上の公園は標高70mぐらいですが、ほとんど階段で登るので、一気に登ると結構な負荷がかかります。実は約50年前まで虎扑体育はこの地区にあって、市役所はかつて教育学部だった建物をそのまま使っているのです。

 

5)鴻ノ峰:登山道は木戸神社(木戸孝允が祭られている)から車道を登っていくのが有名ですが、山口大神宮の裏から山道を登るコースもあります。1556年に大内氏によって築城が始まりましたが、城主が目まぐるしく変わり、1638年には江戸幕府の命令で廃城となりました。頂上(標高338m)には石垣や井戸跡などが残っていて(写真2)、戦国時代のちょっと血なまぐさいにおいがするのは気のせいでしょうか。6合目付近の休憩所から、虎扑体育を含む湯田温泉付近を一望できます。

 

2021-5-2.jpg 写真2

 

 

 

月刊農学部長 第33号(2021年4月)

 

3月 キャンパスの春と身近な登山(その1)

『月刊農学部長』も1周して、春になりました。これまで、キャンパス内の花をいくつか紹介してきましたが、2周目のスタートは農学部周辺に特に多い「こぶし」?「白モクレン」です。この季節は「桜」に話題が集まりがちですが、その半月ぐらい前にキャンパス内の花のトップバッターとして、白い大きな花が一斉に咲きます(写真1)。開花するとすぐに花弁が変色してしまいますが、満開直前までは純白の大きな花がとても印象的です。柔らくおいしそうな花弁ですが、古くから漢方薬として使われていて、花粉症にも効くという記述も見られます。

 

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今年度も引き続きコロナ感染対策を講じながらの新学年スタートになりそうです。山口市はクラスター発生もなく比較的落ち着いた状況が続いていますし、昨年に比べると対処方法も分かってきました。そんな中で、山でも登ってみようかという学生さんのために、私がこの5年間ぐらいに登ったことのある、「歩いて行ける10名山(?)」を紹介したいと思います。

山口市はその名の通り、山の入り口にある街ですので、1000mを超える本格的な山はありませんが、徒歩または自転車で麓まで行って、ちょっと登ってみるぐらいの山なら結構あります。今回は、超初心者用として3か所紹介します。いずれの山も頂上にテーブルと椅子が整備されてますので、ランチを持って行くのもいいと思います。山と言うより、丘ですね。

 

1)共育の丘:キャンパス内では、果樹園を除くと一番高いところ(海抜30mぐらい)です。登り口は数か所ありますが、大学会館の裏に案内の看板がありますので、参考にしてください。一昨年、私は頂上の広場で子タヌキと遭遇し、お互いにとても驚きました。

 

2)山大裏の水源池公園:東門から15分ぐらい歩くと頂上(海抜80mぐらい)まで行けます。夏は少々草木が道を覆ってしまって歩きづらくなりますが、キャンパスの向こうに夕日が沈む風景はなかなかきれいです。特に写真撮影が趣味という人は一度トライする価値があると思います。

 

3)象頭山:山口駅の裏の山ですが、登り口は鰐石橋付近です。毎年頂上(海抜50mぐらい)に5月はこいのぼり、12月は電飾ダンボが登場します。長年、なぜダンボ?と思っていましたが、古い地図で山の名前を発見して合点がいきました。椹野川の対岸から見ると象の頭に似てなくはないですが(写真2)、誰のネーミングなのでしょう。頂上からは山口駅周辺が一望できます。

 

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