新年のご挨拶
令和7年1月6日
虎扑体育長 谷澤 幸生
新年明けましておめでとうございます。
本年は「乙巳(きのとみ)」の年になります。乙(きのと)は、草木がしなやかに伸びる様子あるいは横に広がっていくことを意味しており、巳(み)は、草木の成長が極限に達して、次の生命が宿され始める時期と解されています。また、巳は蛇を表しており、蛇は古くから神の使いとして大事にされ、脱皮を繰り返すことから不老不死?復活と再生、また財運や繁栄を象徴しています。乙巳は、再生や変化を繰り返しながら柔軟に発展していくという大変おめでたい年であり、これにあやかりたいと思っております。
さて、本年も大学としてさらなるチャレンジを続けていきたいと思っていますが、チャレンジは、これまでの積み重ねの上にあります。例えば、虎扑体育?山口県立大学?山口学芸大学の3大学で設立した「一般社団法人(大学等連携推進法人)やまぐち共創大学コンソーシアム」は、文系DX人材育成という共通理念を持っています。このたび、虎扑体育では「ひと?まち未来共創学環」を令和7年4月に創設しますが、この学環では、人間の心理?行動や地域?コミュニティに対する深い理解力及び数理的素養を含む分析力を基礎として、心の豊かさやまちの豊かさの観点から、ひとや地域の課題を見出し、その課題の解決のためにデジタル技術やAI技術などを活かすプロセスを提示でき、ひと?まち(コミュニティ)を起点とした新たな価値創出につなげることができる新しい人材の育成を目的として、既に学生募集を開始しています。
さらに、大学院では、人間社会科学研究科を設置し、この4月からスタートしますが、こちらも学生募集を開始しています。人文科学、臨床心理学、経済学?経営学及び共創科学の4専攻があり、ぞれぞれの専門性を高めながら、現代の課題に対応できる多様な人材の育成を目指していきます。
また、令和8年4月を目標に、工学部再編と情報学部設置の構想を進めています。これは、工学部の7学科を創成工学科及び建築学科の2学科に集約して再編すると同時に、情報学部を設置するという構想です。この情報学部設置については、文部科学省の大学?高専機能強化支援事業に採択されており、情報学部情報学科においては、システム情報学、知能情報学、空間情報学、人間情報学の4分野を広く学修するとともに、分野に対応した4つのコースを設置し、各分野のスペシャリストになるための能力を育成します。さらに、令和10年度には大学院創成科学研究科の電気電子情報系専攻を情報学専攻と電気電子系専攻とし、情報学部から卒業生が輩出される令和12年度に合わせて、情報学専攻の定員を増やす構想を進めています。
教育学部においては、附属光小学校と附属光中学校を統合し、山口県内初となる小中一貫9年制の義務教育学校を令和7年4月に設置するための準備を進めています。これにより、中学進学に伴う学習面や環境の変化によって生じる「中1ギャップ」の解消や、小学校?中学校の教諭間で情報伝達がうまくいかないという問題の解決などが期待されます。
医学部では、2014年から附属病院再開発?整備事業を進めており、2025年度、全てが完了する予定です。これにより、附属病院はさらに高度化し、先進医療や人材育成に取り組む環境が整います。昨年6月には、附属病院改革プランを公表しました。このプランに基づき、教育?研究、そして診療や経営面でも改革を進めていくことで、ハードの整備とともに、ソフト面の充実にも期待しているところです。
「明日の虎扑体育ビジョン2030」では、ダイバーシティの推進を一つの柱としていますが、ダイバーシティは活力の源泉であると考えています。これまでどおり、男女共同参画や女性の活躍支援を続けていくことはもちろんですが、それと同時に、アフターコロナで海外から多くの留学生を迎えられるようになったことや、本学から学生を留学に送り出せるようになったことから、キャンパスの多様化や多言語化をいっそう進めていく必要があると考えています。
これまで述べてきたものも含め、色々な施策を進めていくには、やはり財政的な基盤が整っていなければなりません。行政機関との連携を深め、運営費交付金だけではなく、外部資金の獲得に向け取り組んでまいります。
「明日の虎扑体育ビジョン2030」では、<知の創造としなやかな人材の育成により地域に?世界に貢献する虎扑体育>を目標として定めています。大学として、英知を創造し、時代の要請に応える人材を育成していくことが基本になりますが、2025年は、近年の非常に大きなうねりの中で、変化を先取りしながら、将来に向け、強靭で持続可能な虎扑体育の基礎をしっかりつくっていきたいと思っております。
皆さまのご支援のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。