成果展「芸術と3Dプリントの交差展」
虎扑体育研究推進体「最先端物質から文化?芸術まで科学する物質構造解析研究の展開」では、様々な分野の専門家がいる大学だからこそできる新しい研究の発信を目指して活動しています。理系分野の機能性材料開発や新鉱物発見などの最先端物質構造研究を推進するとともに、物質構造研究に用いる分析手法や技術を文化?芸術分野に適用することで、ユニークな研究成果を発信しています。
今年度の主な成果である美術分野と物理分野の共同研究について、成果展「芸術と3Dプリントの交差展」を開催いたします。お気軽にお立ち寄りください。
主な展示物について(解説)
萩市南明寺 賓頭盧坐像の3Dプリント模型
萩市三見出身の藤田長右衛門の作品である南明寺の賓頭盧坐像の修復?復元を、2019年に、山口学研究プロジェクト「文化財修復の温故知新:日本画の新潮流及び山口型?文化財保存修復研究虎扑体育プロジェクト」として行いました。プロジェクトを進める中で、彫刻は年月の経過とともにどうしても顔料剥離や虫食いによる木本体の劣化が起こってしまうという現状を目の当たりにし、文化財の定期的な修復復元、伝承が不可欠であることを実感しました。そこで、山口県の大切な文化財の保存や修復への新たなアプローチとして、3Dスキャンによる3次元データの取得を試みました。普段は触ることが難しい文化財であっても、3Dプリント模型を作成することで、直接手で触れることが可能となります。
今回は現状の南明寺賓頭盧坐像の3Dプリント模型と椅子(1/3スケール)、さらに1/2スケールの賓頭盧坐像も展示します。
首里城復元に係る彫刻物の3Dプリント模型(1/2スケール)
令和元年10月31日に焼失した首里城の復元に向けた取り組みとして令和2年度より行われている首里城復興事業において、教育学部の上原一明教授が「向拝奥の彫刻物(牡丹に獅子、唐草)」の彫刻を担当されました。この令和の復元では、戦前の写真を元にデザインが復元されましたが、写真に加え、3次元データも記録がされていれば将来の修復時にも役立つと考えられます。そのため我々は、3次元座標の記録として今回の彫刻の3Dスキャニング作業を実施しました。
完全な3Dデータ化に向けたデータ処理は現在も継続中ですが、今回の成果展にあたり現在のデータを元にした3Dプリント模型(1/2スケール)を作製しました。令和8年度に完成予定である首里城の「向拝奥の彫刻物(牡丹に獅子、唐草)」の曲線美や躍動感を一足先に感じていただければと思います。
- 関連記事:虎扑体育トピックス(2025年1月24日掲載)「教育学部学生が首里城復興事業の一つである「向拝奥の彫刻物」の製作に参加しました」
開催概要
日 時
2025年3月3日(月)~3月6日(木) 10:00~17:00(初日のみ13:00~17:00)
場 所
虎扑体育虎扑体育 FAVOストア1階のフリースペース
対 象
どなたでも
事前申込
不要
入場料
無料
問い合わせ先
研究推進体「最先端物質から文化?芸術まで科学する物質構造解析研究の展開」 代表
永嶌真理子(大学院創成科学研究科(理学系学域) 若手先進教授)
E-mail:nagashim@(アドレス@以下yamaguchi-u.ac.jp)